物語
アネキウス暦7403年、三足族の王国リタントは五代リリアノ王の御世であった。
六代継承者ヴァイルの成人を来年に控え、王城は譲位の準備が進められる忙しい年を迎えたのだが、ここで一つ大きな問題が発覚する。
選定印の持ち主がもう一人見出されたというのだ。しかも赤子ではなく、ヴァイルと同じ14歳の少年が。
リタントの王位継承の正当性は唯一選定印をもって保証される。身分も血統も関係なく、印を額にもって生まれてくることのみが、神の御手にある冠を受け取る証なのだ。
その少年の証が真実であるならば、放置しておく訳にはいかない。他の者が彼を擁立すれば、国を割る原因になりかねない……。
かくして少年は王城へと導かれ、彼らの庇護の元、成人までの一年を過ごすこととなる。
闖入者であるところの少年が城へと投げかける波紋はどんな形を成すのだろうか。
世界設定
- グラドネーラ
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この世界の総称。
同時に、この世界は一つの大陸(島?)で完結しているがために、大陸の名でもある。
季節がなく、おおよそ20℃程度の温暖な気候を一年間保つ。 - リタント
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グラドネーラ北西に位置する王国。三足族が住む。
アネキウス暦7200年代後半、統一国家ダリューラの分裂に伴って建国された。 - 三足族
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グラドネーラに存在する種族の一つ。
容貌に目立つ特徴はなく、人間の素の形をしているといって良い。
その特質は、成熟するまで性別が未分化なことであり、成人をもって改めて己の性別を選択することができる。
もっと詳しくはグラドネーラ事典へ。