ショウネンオウジャカン

I KILL<イキル>

観劇日 2006.08.18夜 東京ザ・スズナリ

作・演出:天野天街

++CAST++
 正太郎………夕沈
 夕目…………山本亜手子
 音……………白鴎文子
 香……………丹羽純子
 三郎…………サカエミホ
 次郎…………日与津十子
 花……………黒宮万理
 雪……………雪港
 雲……………ひのみもく
 水……………水元汽色
 平吉…………山田マキオ
 空……………カシワナオミ
 吉田…………虎馬鯨
 ヨチダ………松田泰基
 元……………蓮子正和
 仏……………☆之
 百郎…………小林夢二
 万郎…………池田遼
 愛……………竹内大介
 恋……………藤沼茂人
 一郎…………水谷ノブ
 イチロウ……井村昂

++STAFF++
 舞台美術……田岡一遠
 美術製作……小森祐美加/枝松千尋
 映像…………浜嶋将裕/鎌田千香子/一色矢映子/田中博之
 照明…………小木曽千倉
 音響…………戸崎数子(マナコ・プロジェクト)
 舞台監督……昂
 音楽…………珠水/FUMICO/長谷川久
 振付…………夕沈+イキルダンス部
 衣装…………田村英子
 小道具………丹羽純子
 宣伝美術……アマノテンガイ
 受付…………篠木美佳
 制作…………西杢比野茉実

 少年王者舘本公演vol.30。

◆好きなシーン

 最初のループの行進曲。
 最初の踊りのめまぐるしく変わる立ち位置。
 穴。アナ。もっと穴使ってほしかった。
 重なる色。
 スケッチブックは圧倒される。けど、多くの人がめくるのにあわあわしてたのでちょっとマイナス。個々に持たなくてもいいんじゃないだろうか。

(2006.08.19記す)

◆何より

 いい! 題名がいい!
 初めてこの題名を見た時から、期待は膨らむばかりでした。すごく単純だけどすごく対極な掛詞。
 生きる。私は殺す。イチ切る。
 表される世界をはっきりと暗示する(矛盾言葉)、抜群に良い題名だと思ってます。

(2006.08.19記す)

◆白い世界

 いつものごちゃごちゃ路地裏風景ももちろん好きだけど、今回の白セットはかなり好きというか、見た目が良い感じでした。
 ダンスの時に感じたけど、かなり広く見える。いつものぎゅうぎゅう感が少なかった。……いや、実際広かったのかもしれないが。セット動く奴だし。
 あとやっぱり何より色が乗る場面が好きだ。ムンクとかゴッホとかをイメージさせるぐんにゃり感ある色。例えの引き出し少なくてすみません。一番印象に残る場面であったことは確か。
 映像もやっぱり綺麗に映るし。もっと乗せてもいいかなと思ったけど、それだと色のついた時のインパクトが薄れるか。

(2006.08.19記す)

◆ナフヤスミ

 お話のベースは「絶対/相対」。
 ナフヤスミに戻ってきたイチロウ。電車に乗って出て行ったイチロウ。あんなことしちゃったイチロウ。夏と冬。死者がほんの少しだけ帰ってくる季節。
 ああ、何か“イチロウ”が責め立てられる話って安心感があるのは、コンデンスから入った故でしょうか。
 認識しきれてないだけとは思うけど、ループや時間いじりはあんまり徹底していなかった印象。客電には良く戻ったけど。ここのところは一回で把握するのは無理だなあ。

(2006.08.19記す)

◆行ってしまったものが残す僅かな痕跡

 今回気づかされたことは、残響とか残り香とか、そんなこと。
 お芝居ってのはそういうものだよなあ。そしてそれは、この世界において正しい表現方法なんだなあ、と。
 今さらですけど、再認識。
 役名も音と香なのだな。うん。

(2006.08.19記す)