ショウネンオウジャカン

累−かさね−

観劇日 2012.08.17夜 東京ザ・スズナリ

作・演出:天野天街

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 少年王者舘本公演vol.36。

◆好きなシーン

落語に娘たちが加わる辺り。
「しちはちきゅうじゅう……死は地球中」

(2011.9.4記す)

◆真景累ヶ淵

題名を聞いた時から、わざわざこの字を使うということはこれに重ねてあるのかなと思いましたが、やっぱり落語シーンが。とはいえ、実は元々の落語を聞いたことがないので、あらすじしか知らない。元々の題名からして「神経」のもじりっていうのが何か王者舘のイメージ的にぴったりで面白いなあ。怪談は近頃、神経の病とされている、と。神経の中で繰り広げられる繰り返しの物語。

で、改めて劇中でさわりを聞いて実感したのですが、これはいわゆる「六部殺し」のバリエーションなのですよね。殺した盲人が祟るという。とはいえ、身元不明な訳ではないから色々と違いますが。

とりあえず興味がわいたから、某かの機会に聞いてみたいところ。すごく長いらしいのが難点か。

(2012.9.1記す)

◆かさねる

そして、芝居自体の感想なのですが……わざわざ書くのもどうかと思ったので、今まで書くのを後回しにしてきてしまったのだけど。正直、今回のはぴんと来なかったのです。

いや、客入れの繰り返し部分とか、さらに踏み出してきているなと感じる部分もありました。でも、全体として見ると、あまり「気持ちいい」場所がなかったので、こういう感想になったんだと思います。自分が王者舘に求めるものは、圧倒的な勢いで「連れて行かれる」感覚か、繰り返しの中で「がっちり組み合わされて見える」構造で、今回のはどっちにも当てはまらなかったというか。

たぶん、掴みがいまいちだった。あそこで圧倒されないとだれる。題名からして、もっとがつがつ重ねてくるかなと思ったら、そう感じられなかったせいもあるかも。「ガラパゴス」めいた感じで。ということですみません、今回の感想はこれだけで。一回しか見てないこともあるので、ひょっとして見返すと違う発見があるような気もするのですが。

(2012.9.1記す)