ショウネンオウジャカン

OSHIMAI〜くだんの件

観劇日 2001.11.10S&11S 名古屋 七ツ寺
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 初演から六年。くだんの件、今回で最終公演です。
 という訳で傑作と呼び名高いこの演目、二日とも観てまいりました。満足満足。
 ただひとつ、ひとつだけ不満というか後悔しているのは……なんとか残ってないかな、と思っていた「自由ノ人形」のビデオがもうなかったことです。とほほ。大阪で少ない言ってたんだから、買っとけば良かった。手持ちが少なかったので、とりあえずどっちか一つと思って語感の好みで「パウダア」をとってしまったのです。再版されない、よね……諦めるしかないのか。
 今回の物販はビデオ「パウダア」、本「星の天狗/御姉妹」「それいゆ」「くだんの件」、あとは手ぬ ぐいのみでした。

◆好きなシーン

 カレンダアはらりと落ち暗転。
 コップ大変、花火きらきら、粉せっけんぱっぱっ。
 うしさんカウンターでゆめ破り。
 昔ここにはいっぱいありました。
 そしてなんといってもピザ。

(2001.11.11記す)

◆差異

 ということで、一日目と二日目のちょっぴり違った点をまず上げてみようかと。違ったといっても、アドリブ部分といいますか、とちり部分といいますか、どうしても変わってくる部分といいますか。
 まずですか、一日目は名刺がうまく立たず、下の部分をハサミで切ってもたたず、もう一度切っても一瞬しか立たず……。二日目すんなり。
 また、時計をはずして「あのクギうったの……」のシーン終わり、時計を戻すシーン、一日目なかなかかけれない。三、四回試してようやくなんとか、二日目すんなり。
 かおつぶし、ダミー立ち上がりシーン。これは二日目、仕掛け分かっていたからかもしれないが、上手に去る背中ちょっと見えちゃってて惜しし。

 さてはて、そして変わらずにいられないもの、ピザ宅配、注文編。
 観ていない、知らない人に一応説明しよう。最終公演だし、ネタバラシしても良いだろう。「…予言しよう!! くわっ! あと三十分以内に、ここ、ここに○○ピザが出現するだろう」とのヒトシの予言(?)を実現すべく、劇中に本当に電話をかけてピザを注文するのである。 電話のやりとりもスピーカーで客席に流される。本物の宅配ピザ屋である。事前の打ち合わせなどはない。電話の向こうでやけにハイテンションの声や、笑い声が響いてきて注文をとるお姉さんも不審がっているに違いない。迷惑な話である。(ちなみに脚本に「ピザ屋は日替わりで」と指定してある)
 そしてさらに迷惑なのは宅配させられるバイトの兄ちゃんである。冗談みたいな話だが、エキストラではない。本物である。超満員(一日目混雑度120%、二日目混雑度150%)の客席かきわけ進み、ピザを舞台上でやりとりするのである。笑われ、出ていく時に拍手で送られる。 ある意味貴重な体験だ。ある意味。
 さて、という訳で、外の世界は舞台の世界の都合では動いちゃくれない。毎回役者もはらはらしているだろう、ピザ注文編。
 一日目はアオキーズピザ、ピザの種類は「松阪牛ピザ」。電話すんなりつながり、電話番号言う→「七つ寺……共同……スタジオですね?」「なんで分かるの?」というセリフまであっさりと。「ファンタオレンジある?」というセリフには「QOO(クー)なら」との答え。領収書もらう際、「少年王者舘」指定、「やかた」を聞き返されて「ランの館」と答えたり。
 そして二日目、ドミノピザ、ピザの種類は「焼き肉ピザ」。しかし、なんと話し中。一日目の注文時間が20:30、二日目の注文時間は19:00。確かにピザ屋が混み合いそうな時間ではある。何度も何度もかけ直すヒトシ。四回かけ直してもダメ。演出ではない。まごうことなき話し中なのである。そこで時間を稼ぐべく「予言を変更する! ツナマヨピザ、ツナマヨピザが出現するであろう!」 その際、店を変えたかどうかはよく見えなかった。次にかけた時、つながったし、変えたのかもしれない。
 そしてさくさくピザ注文。しかし電話向こうの彼女の第一声。「三十分から四十分くらいお時間かかりますが……」。トラブル続出。そこで受話器離し「予言を変更する! 四十分以内、四十分以内にここにツナマヨピザが出現するであろう!」 電話向こうのお姉さん、何かと思っただろうなあ……。「ファンタオレンジありますか?」の問いには「オレンジジュースなら……」、領収書は名前を聞きませんでした。名無しの奴なんでしょう。
 両方とも、ピザの人が入ってくるタイミングはそんなに悪くありませんでした(決定的に悪い時には、扉向こうで待ってもらってるんだろうけど)。でも一日目は「ピザ来ましたー!」との呼ばわりになかなか気づかなかった舞台上の二人。

(2001.11.12記す)

◆初見

 二日目は羅伊紀ついてきたのですが(パウダアのビデオは貸していたものの、初めての王者舘観劇)、気に入ってくれたようで何より。というか小熊ヒデジさんがえらく気に入った模様。てんぷくプロの公演観にいくことほぼ決定ぽい。まあそれも良きかな。

(2001.11.28記す)