ショウネンオウジャカン

夢+夜(ゆめたすよる)

観劇日 2009.08.20夜&23昼 東京ザ・スズナリ

作・演出:天野天街

CAST

 ヘイタ………夕沈
 タロウ………中村榮美子
 日見…………白鴎文子
 月味…………丹羽純子
 ヤマモト……井村昂
 七目…………小林七緒(流山児★事務所)
 一……………池田遼
 人見…………黒宮万理
 夕名…………雪港
 夕見…………水元汽色
 仮名…………ひのみもく
 0……………☆之
 吉ン田………竹内大介
 ヨシダ………落合孝裕
 十……………石橋和也(ハレのヒ)
 一十…………小林夢二
 朝名…………宮璃アリ
 マイナ………まえださち
 空耳…………水柊
 ハナ…………PECO
 山ン本………珠水

STAFF

 舞台美術……水谷雄司
 映像…………浜嶋将裕/内田欽弥
 照明…………小木曽千倉/上田耕司(京都照明操作)
 音響…………岩野直人
 舞台監督……中村公彦(イリスパンシブルティ)
 振付…………夕沈+夢+夜☆ダンス部
 音楽…………珠水/FUMICO
 小道具………丹羽純子
 チラシ原画…アマノテンガイ
 写真&宣伝美術……羽鳥直志
 制作…………西杢比野茉実/PECO
 制作協力……吉田和睦/藤田晶久

 少年王者舘本公演vol.32。

◆好きなシーン

 自分でも不思議なのですが。今回の芝居、大枠では気に入っているはずなのに、ぱっと出てくるお気に入りのシーンというものがないのです。あまり気に入らなかったものでも一つはあるはずなのに。
 視覚的にくるものはなかったんだろうか。不思議だ。

(2009.08.24記す)

◆オマエはダレだ

 初見で感じたのは、あれ、何かいつもとどこか違うな、ということ。
 基本的な構成や大枠は同じなのだけれど、妙な違和感がある。
 それが何かといったら、「夢見る主体」がいつもと違ったことでした。この夢を見ているのは「オレ」ではなかったのかと(二回目観た今はそうとも言い切れないかなと思い直し中)。
 実は公式から行ける対談でそのことはばっちり触れられているのですが、一応何の予備知識もなしに見た初見時に「これは本人が言う通りにヒトミが見る『オレ』の夢なのか」とは思ったのでそういうことで。
 その違和感の元の一つがたぶん題名の台詞。似た台詞は今までの作品で何回も出てきているのですが、発した相手と発される相手が違うんですよね。  今までの大抵は、ナビ的な二人組からオレに向けられた台詞だったのが、今回はオレが客席に向かって叩きつける。
 外部にある主体。夢見る主体。その主体が舞台上にあるのはおかしい。
 ぶれる輪郭。芝居のシュウテン。しつこいまで繰り返される客入れの時間。
 ワタシミテイルヨ。見られているような気がする。
 んー。

(2009.08.24記す)

◆結局ダレがユメ見ているのか

 そんな感じで、初回観た時は「これはオレのユメではなく、ヒトミがオレを留めておくためのユメなのか」と納得した訳ですが。もう一度観てみると、大枠それで良いかなと思いつつも、やっぱりそれだけじゃ納得いかないところがある。
 ヒトミ。瞳。人見。一身。
 まず思ったのは、これが「オレのユメ」でないのならば、「オレ」が分裂する必然性はないなということ。多数のオレが意味を持つのは、オレが主体であってこそ。
 というか、幼年・少年・老年への分裂は良しとして、青年が二人いる意味はあったのかどうか。まあ、そこのところは考えても仕方なさそうなので置いておいて。
 さて。どうして初回で「ヒトミのユメ」かなと思ったかというと、何となくイチロウのユメにしては母さん父さんの出番が少ないというか表層的なことで終わってるなというところかなあ。特に母さんはイチロウのユメならばもっとしつこく出てきてもよいポジションだよなと。
 そういうところも含めて基本的にイチロウの影が薄い感じがあったなと。そのための冒頭の感想だったのでしょう。  あと何となく思ったのは、ヒトミとイチロウのデートの場面、来週の約束は本当にあったことなのかなということ。恋人同士が来週を待たずに召集され、揃って同じ前線に送られるってのは不自然すぎるので。前線で出会って惹かれ合って、あれはヒトミの妄想なんじゃないかなって思ったり。根拠はないです。

(2009.08.25記す)

◆シュウテン

 しかしながら、今回の「シュウテン」は台詞ではっきり示されていたりして。
 撃たれたイチロウ。七日間目覚めなかったイチロウ。「こんなところに七日間も」。七日。生者と死者の狭間の時間。
 それきり彼は動きませんでした。
 イチロウもまた客席から見る側に立ったし。
 その辺りは混じり合いかなあ。あまり整理できてません。またゆっくり考える。時間をおいてしまったので台詞が輪を掛けてうろ覚えです。

(2009.08.30記す)