過去録
天才少年からつながる「解体屋外伝」の話
前回書き洩らしたイストワールあるある:カルナに「何か……もうちょっと何かこう」と釈然としない思いを抱く
外伝につきましては、今たいへん面倒くさいところなので週一でお願いします。まともに書いていくと外伝丸々費やすようなあれなので、どれだけ書かずに済むかを試行錯誤してる感じであれなのです。
あと何故か手元に芝居のチケットが七枚ほどあるので、計算的には週一劇場通いらしいです。何でこんなに溜まったのか。買ったから。
そういえば先日、自分の好きなアーキタイプの一つに天才少年/少女があるなあと何となく思い出しました。OZのフィリシアとかARMSのアルとかですやね。でも皆川作品だったら、マイナーだけどKYOの恭の方が好みかも。とか思い返していたら、やっぱりマイナーだけど「解体屋外伝」のソラチャイも好きだったねと何となく検索をかけてみたところ、「ウルトラバロック・デプログラマー」と名前を変えて、つい最近コミカライズされていることを発見して、懐かしさのあまり全部読んだりしてました。
いとうせいこうと言えば、たぶん一般的なイメージは変なメガネの人みたいな感じだろうけど、彼の小説は個人的にかなり好きだったりします。「ワールズ・エンド・ガーデン」のイスラム文化がcoolとされる文化浸蝕された日本とか。でもストーリー的にはいまいち収まりが悪いかなとも思っていて、しかしその中で一番完成度が高いと考えているのがその「解体屋外伝」です。
で、また戻って漫画版ですが、アレンジとしてはなかなか面白いものでした。原作中ではシステムとしてしか出てこなかった精神世界のアバターがしっかりキャラ立てされて出てきたのは感心した。かなり魅力的だったので、こんなの覚えてないのはありえないよなと原作を見返してしまったり。立原さんといい、解体屋周りのキャラがかなり補強されてたな。解体場面は絵がある方が分かりやすくて栄えるし。書かれた時代からして仕方ないけど、ちょっと古くさいサイバーパンク的世界を、うまく現代風に飾り立てていて好印象。
ただ、そのアレンジで物語中では主人公その実は道化役だった解体屋が主人公その実主人公(三位一体で)になってしまったので、相対的にソラチャイの比重が軽くなったのは不満点。特にサブタイトルになっているラストの大事な概念が丸々省かれてしまってるのはなあ。とはいえ、あの終わりだと漫画的にはあっけなさすぎて良くないのも確かだから仕方がない。難しいところ。あ、あと一つ大変な不満点はソラチャイのキャラデザはともかくも、肌がトーン肌じゃないことです。三島の引用的にも、浅黒くしてほしかった。作画的面倒の関係か。
しかしこうやってビジュアル化されているのを見ると、音が重要な要素な作品でもあるだけに、これをベースに映像化するともっと見栄えして良いかもとも思う。それぐらいには面白かった作品でした。
何だか色々こんがらがったけど、そんな話。
2011年9月1日(木)
スズナリの怪
ぎりぎりで日付変更に間に合ったので外伝更新です。
ちょっと最後辺り急ぎすぎたので書き直すかもしれませんが、とりあえずこれで。
次は超コンデンスの感想書かないと。
そういえば、スズナリで不思議なことがありました。
ソフトバンクのWifiにログインしたのです(設定しておくとポイントがあれば自動でログインする仕組み)。何故スズナリで。性質上、電波が遮断されるなら分かるのですが。
近くにWifiポイントがあるんだろうなとは思うのですが、でもあの辺り設置されてそうなチェーン店って近くにないけれど。どうなんだろう。便利だけどびっくりした。
2011年9月4日(日)
夏のいたずら
羅伊紀さんからイラストついた。
しかしいかん、これは! エロすぎる! お子様は見ちゃだめ!
ちょうどNOも煩悩の数だしな。
そういえばお礼を言いそびれるところでしたが、前回更新の外伝で、思い切りリリアノにランテ=ヨアマキス姓を名乗らせていたポカミスへのご指摘、ありがとうございます。
すごく素で書いてました。駄目すぎる。このままだとイルアノにも名乗らせかねなかった……。
2011年9月8日(木)
インタビューとイラストと外伝と
先日のインタビューに来ていただいた方、ありがとうございました。
無事終わりまして、サイトの方に生ログも上がっていますので、気になる方はどうぞー。
あと、今回のことに合わせて羅伊紀が期間限定企画を始めたようです。
イラストページに時折ラフ画が追加されるそうです。どこかは聞いてないので、探してみてください。
そのうち消すらしいです。
あ、遅れましたが外伝も先ほど更新しました。
インタビューの前までに書き上げるつもりでしたが、無理だった。
まあこれで二人始末したので、次回最後の人をヤって終わりにしようと思います。(※まだ死にません)
2011年9月12日(月)
らいき爆弾
先日から羅伊紀さんがいくつか爆弾を投下している様子ですが、またさっき何か投下したみたいです。
見てみたところ、非常に重要な部分をわざと抜かした姑息な実録になっていたのでこっちで書いてやる。
「タナッセロリコン発言」はこの時羅伊紀が断言しました。
ロリ可愛いんだけど、外伝の描写とどうしても食い違うから却下なのです。羅伊紀はかなり食い下がりました。外伝前に提案があればこのままで通したのでしょうけど。
こちらの外伝はたぶん明日にはUPできます。
書き始めればさくさく進むところなのでまず確実。ならばさっさと書き始めろという。色々あるんだ。
そんな色々のうちの芝居見物ですが、今週末行く野外劇の注意書きが何か怖い。
・移動しながら見てもらう形式なので、座席はない(これはいい)
・歩きやすい靴にして、サンダルやヒールは避けて(まあ場所が場所だし)
・演出の都合上、なるべく両手が空くカバンにして(何だと)
……まさかダッシュで逃げなきゃいけないような状況にはなるまいな。なっても驚くけど驚かない。
そういえば昔、ゴキブリコンビナートという劇団があって(今も続いてる様子)、その頃東京にいなかったので噂でしか知らないのですが、これが客席に汚く臭い汁をぶっかけたり、移動舞台で一歩間違えば役者も客も大怪我しそうなものがぶち転がったり、生豚が劇場を歩き回ったりと、とことんアグレッシブカオスな空間だったみたいなので、そのレベルじゃなきゃいいです。さすがにそこまではいかないだろう。
ちなみにその後、ゴキブリコンビナートは御霊祭りとかの見世物小屋をやっていたとも小耳に挟んだけど、まだそっちの方はやってるのかな。試しにサイト見てみたら、何かサーカスやってた。
2011年9月16日(金)
あの人たちの出会いと正直な感想と
そんなこんなで予告通り外伝更新します。
今回は久しぶりに気が楽に書けました。ここから先が重要なんだよ!、という意見もあるでしょうが、容赦なく省きたいと思います。
さらにやっぱりロリが好評な人の本案到着。外伝さえ先に書いてなかったら、ロリ採用したよ! 面白そうだから! でもやっぱりこっちが元のイメージですね。
さて、昨日書いた芝居に行ってきた訳ですが、うん、正直つまらなかった。
そして当然ながら絶賛している人も多数いる訳で、改めて芝居を勧める難しさを感じてしまうこの頃です。
だってそういう絶賛感想を見て足を運んだ時、自分と似たような人間かつ芝居の初心者だったら「こういうのが褒められる世界なのか……自分には合わないな」で終わってしまうと思うから。
もっと無難なものもありますが、自分の好きな王者舘や維新派もこっちに属する劇団だからなあ。当然、今の自分のように「何あれ」と思っている人間は一定数いる。絶対に。
ちなみに自分のワーストは始まって15分ぐらいで「帰りたい」しか考えられなくなったとある公演です。出にくい位置にいて最後まで観たのか、休憩があって逃げ出したのかすら覚えていない。でも途中で逃げて「自由って素晴らしい!」と思ったこともあったような気がするので、その時でなければ内容すら覚えていないそれがワーストかも。
今回のことで学んだのは、客を巻き込みたければ、熟達した段取りの素晴らしいオペレーションが絶対に不可欠だなということ。
小劇場観ているとよくあることなんだけど、観劇慣れした客のお行儀の良さに甘えすぎ。
やりたいことは見えるんだけど、やらせるのはすごく大変なことだよなあと。
(というか今回のは「指示に従ったら単に何にも見えない」という何とも言い難い結果だったので、想定自体がちょっと)
あと絶賛している人たちは最後のところで立ち上がって振ってやればいいのになあ、と思った。明らかにそれを狙った間と小道具だと感じたのだけれど。伝わってなかったのか、自分が勝手にそう思い込んでいるだけなのか。
この芝居の話は今回限りですが、客を巻き込むことに関しての話は次回に引っ張ります。
それにしても内容的な問題ではなくハード的な問題で、雨天はもちろん地面がぬかるんでたら最悪なコンディションになると思うのだけど大丈夫か、と思っていたら、帰宅直後に結構な量の雨降ってきた。運が良かったけど、本当に明日の公演大丈夫かなこれ。
2011年9月17日(土)
しばらくお休み
昨夜は野外劇第二弾の予定だったけど、さすがに中止になって振替公演も維新派とかぶるので行けなくてがっかりな感じの今日この頃です。そんな訳でちょっと岡山とか行ったりして家を離れるので今週の外伝はお休みになると思われます。書けたら更新したかったのだけど、ばたばたしてしまったので。もし書けたら出先から更新しますが、基本なしと思ってくだされば。
羅伊紀が荒ぶってくださっているのでいいよね。
前回の客を巻き込むやり方の話の続きは、出先で書こう。たぶん。
2011年9月22日(木)
身びいきと難しさと
そんなこんなで、維新派の犬島公演を見てきまして、犬島観光含めて楽しかった訳ですが、同時に考えてしまった訳です。
前につまらないとぶっちゃけた野外劇とやってることはそんなに変わらない気もするなあと。だから、維新派を楽しめたのは一種の身びいきもあるのだろうと。でもこの景色の前では何もかもが無効。そういう意味ではずるい。
(ちなみに公演途中までは撮影可能でした)
しかし、前のインタビュー時に維新派薦めてしまったけれど、今回のはちょっとまずいかもしれないとは思う。何故なら、役者の動きも台詞もほぼないので。
題名からしてそれは意図的なもので、動かない役者の後ろで動いていく景色の対比こそが主題なんだとは分かるしそれは素晴らしい体験なのだけど、いきなりこれをぶつけるのは賭けの部分が大きいなと。
池袋ではもちろん場が違う以上色々変えてくるにしても、大枠のシステムは変わらないだろうしなあ。
まあとにかく、犬島は素敵な場所だったので機会があったら是非に。
帰って写真加工がちゃんと出来る環境になったら、他の写真も上げてみます。
2011年9月25日(日)
場を暖める難しさ
戻ったら犬島の写真を上げるつもり満々だったのですが、SDHDカードを読み込める環境がないのをうっかり失念したままカメラを置いてきてしまい、データが取り出せなくなった間抜けっぷりです。ということで読み出せる手段を見出すまでお蔵入り。
そんなこんなで結局書き損ねた客を巻き込むお話を改めて。
客というものはつまり傍観者な訳で、能動的に何かを狙ってやらせようというのはとても難しいものです。それを崩すのに必要なのは、結局は教育しかないというだけの話。
別に大仰な話ではなくて、つまり「出し物が終わったら拍手をする」というのはごく当たり前のこととして刷り込まれている訳で、よほど下手だったり客をなめていたり拍手させないような構成にしない限りは、お客さんは自主的に拍手をしてくれます。例え初めてのライブで誰も知らない曲であったとしても、身内なりがちょっと誘導すれば手拍子をしてもらうのはさほど難しいことでもないはず。
逆に言えば、そういった「お約束」を外れたことをやらせようとすれば、途端に難易度が跳ね上がるということです。
子どもをヒーローショーの壇上に上げるのは簡単でも、大人を同じように壇上に導くのは骨。それを成すには「場の盛り上がった雰囲気」がなくてはならず、そういう空気はちょっとした不手際であっさり崩れたるものだったり。そして、その雰囲気を作るために大事なのは舞台の上の演者よりも、実のところ裏方スタッフの負うところが大きいんですよね。舞台が始まった時に、すでに「場」は成立してなければならないから。だから小劇場にありがちな「客入れで押す」ってのは下策も下策だなあといつも思う。仕方ないところもあるとはいえ。
あと場作りには「訓練されたファン」ってのはかなり有用なんですよね。彼らは周囲を自然と教育するから。もっとも、それ以外との温度差が決定的になると逆効果になっちゃいますが。
場を暖めるのには時間がかかるけど、冷めさせるのは一瞬で良いんだよね……。
そんな訳で、何か珍しいことを客にやってもらいたいと思うならば、とにかくスタッフは完璧に徹さないと駄目だなと思った話。当然、やらせることによっては、それでもうまくいくとは限らないのですが。
2011年9月28日(水)