過去録
小劇場の歩き方 2
では当日。
●劇場にたどりつこう
まずは劇場までたどり着きましょう。何度も行ったことあるよ、という場所でない限り、必ず道は調べておくこと。それも地図アプリでしっかりとチェックして、印刷なりブックマークなりしておきましょう。
なぜかというと、公共劇場ならともかく、小さな劇場は裏路地や住宅街のど真ん中にあったりして、道が分かりにくいところがすごく多いからです。地元の人に聞いても「そんなのあったかな?」ってなります。本当になります。
慣れてないと、前を通ってもそこが劇場だと分からないことも。なので、外観もあらかじめ調べておくと安心です。
ということで、劇場の種類に話は移りますが。怒られそうな分類をしますが、分かりやすくいきます。即ち、世の中には以下の二つが存在します。
○劇場っぽい劇場(主に公共や財団などの支援がある劇場)
○怪しい劇場(主に個人経営の芝居小屋や稽古場)
前者は安心ですね。エントランスがあり、案内板があり、受付があり、ロビーがあり、カフェとかクロークまである時もあります。
池袋の芸術劇場とか、愛知芸術文化センターとか、大阪市立芸術創造館とかです。ちょっと小さめだと吉祥寺シアターとか。民間経営なら、紀伊國屋ホールやHEP HALLなど。
こっちに赴くのに特に心配はないと思うので、ちょっと早めに行って劇場の雰囲気など楽しんだりしてみてください。
問題は後者です。王者舘は大体後者です(前者でやることもあります)。
後者でやる劇団は前者でやらせてもらえないから、という訳でもなく、後者の方が概ね自由度が高いからです。稽古時間が多くとれたり、特殊なセットを組めたりとか。
まあそれはやる側の話なので、観る側からの話に戻りますと。
そういう劇場はどんな外見をしているかというと、入りにくい感じのところが結構あります。外見は綺麗でも、どこが入口かよく分からんとか。
とりあえず、いつも王者舘がやる劇場例(次の公演もここ)。
【名古屋・大須】七ツ寺共同スタジオ
【東京・下北沢】ザ・スズナリ
うん、近寄りにくい外見ですね。どっちも小劇場界では名の通った、すごく歴史のある芝居小屋なのですが。
こういう小屋は、エントランスすら存在せず、入ると即ホール、みたいなところもあります。そういう時は劇場の前で受付をしたり、並んだりします。案内役の人の指示にしたがってください。
ともあれ、公演の30分ぐらい前に訪れれば、いかにもそれっぽい劇団の人や客がホールの前をうろついてますので、そこに同じようににょろっと混じればいいです。大丈夫大丈夫。ライブとかと違って、ファン同士で交流し盛り上がらないといけない、みたいなことも別にないです。芝居関係の人たちが挨拶を交わし合っていることはよくありますが。一人観劇も多く誰も気にしません。劇場前での待機の場合は、周囲の迷惑にならないよう静かに待ちましょう。
さて、そんなこんなで劇場にたどり着いたら、次に何をすべきか。
ここからが、劇団ごとに方法が変わるので、戸惑う部分だと思います。
次回は、当日清算のやり方。
2013年8月1日(木)
小劇場の歩き方 3
さて、前回で無事に劇場にたどり着ました。貴方は慣れない雰囲気に戸惑ってるかもしれません。
もしここで、貴方の手に席番号つきのチケットが既にあるなら、もうすべての問題は解決しています。開場時間まで待って、入口で待ち受けるもぎりの人にチケットを渡し、指定の席番に座ればおわりです。開演時間を余裕をもって待ちましょう。途中休憩はないことが多いので、トイレをお忘れなく。
しかし、貴方の手にまだチケットがなかったり、整理番号つきのチケットだったり、整理番号すらついていないチケットだったりしたのなら、劇場に入るまでにもうちょっと手続きが必要です。今回はそれについて。
●番号なしチケット・当日清算予約・当日券は受付へ
手元にチケットがない場合は、もちろんチケットを購入しなくてはいけません。公演時間が近づいてくると、劇団は受付を設置します。受付開始時間も大体チラシなどに書かれています(一時間前が多いかな)。
場所はさまざまですが、公演するホールの入口の前に机を置いて「受付」と張り紙がしてある場合が多いです。なので、まず公演するホールの入口のところを窺ってみましょう。劇場によっては、受付窓口が施設備え付けである場合も。スズナリは階段の一番下に窓があって、そこが受付になってます(分かりにくいのでそこを使わず、階段上部に設置していることもありますが)。
受付は、種類によって窓口が分かれていることもあります。大体「当日清算」「ご招待」「当日券」みたいな感じで張り紙がしてあるので、自分が当てはまるところに声をかけましょう。
「当日清算」の場合、予約の名前を聞かれるので答えて、お金を払えばOKです。整理番号もしくは席番をもらえます。
「当日券」の場合は席があれば、枚数言ってお金を払うだけです。同じく整理番号もしくは席番をもらえます。
ちょっとややこしいのは番号なしチケットの場合。
先着順で勝手に入れ、という時もありますが(あまり人出が見込めない公演とか)、あらかじめ受付をして整理番号をもらっておく、という手順を踏まなくてはならない時もあります。
その辺りはチケットとかチラシに書いてあるのが普通ですが、分からなかったら受付に尋ねるとスムーズです。
ともかく、ここで貴方は席番か整理番号を手に入れました。
席番を手に入れた方はお疲れ様でした。開場を待って席におつきください。
そうでない場合、会場が自由席のケースは「整理番号順に入場する」必要があります。王者舘はこっちです。
●整理番号順に並んで入場
受付を済ませた方、先にプレイガイドなどで整理番号つきのチケットを持っている方は、次に番号順に入場する必要があります。
開場10-30分前に、列整理の人が出てくるので従って番号順に並んでください。列は特につくらず、「●番までの人入ってください」とやる場合もあります。
王者舘はここのところが少しややこしくて、入場は「劇団予約→プレイガイド予約→当日券」の順で、その種別ごとに整理番号があって列が異なります。分からなかったら、列整理の人に番号を見せて誘導してもらえばいいです。並んでいる人に「何番ですか?」て聞いても教えてくれます。
とにかく並んで誘導を待ちましょう。いよいよ劇場ホール内に入ります。
次回がラスト、席の取り方と開演までの過ごし方。
2013年8月2日(金)
小劇場の歩き方 4
さあ、貴方はホール内に入りました。
思ったよりも小さくてがっかりするかもしれません。けれど、静かに流れる客入れの音楽や、客たちの囁きや、舞台上のセットなどを見ていると、段々わくわくしてくるのじゃないでしょうか。
もう後は芝居を観るだけですが、いくつかの注意点を。
●自由席の場合
席番がない時は、貴方はどこに座っても構いません。好きな椅子や座布団や位置を確保しましょう。無理に隅に詰めて観にくい席にいく気遣いは発揮しなくてもいいです。ただ、「関係者席」「招待席」と張られた席だけは避けてください。スタッフや客席から乱入してくる役者が座ったりします。
貴方が入場した時には、既に席が全部埋まってしまっているように見えるかもしれません。その時は中の整理役が席を見つけてくれたり、作ってくれたりするので、焦らず待っていれば大丈夫。ホールに入れた時点で、追い出されることはまず有り得ません。
ちなみに王者舘の客席は近頃大体こんな感じ(※)ですね。ひな段に座布団。昔よりだいぶ良くなったよねー。
個人的には王者舘の芝居は全面映像が入るので、俯瞰できる後ろよりの席が好きです。でもこの辺りはそれぞれの好み。役者をかぶりつき(最前列)で観たい人もいるし。
●開演まで
あとは居心地の良いポーズを模索しつつ、もらった分厚いチラシの束など眺めながら、開演時間を待つだけです。直前に注意は入りますが、開演五分前ぐらいになったら、携帯電話などの電源は落としましょう。絶対に公演中に鳴らしたり取り出したりしたらダメですよ。
●気をつけること
快適な観劇のため、あらかじめ気をつけておいた方がいいことをいくつか。
○大きな荷物は持ち込まない
劇場にもよりますが、客席は狭いです。ブリーフケース程度の荷物でも、置く場所はありません。抱えてるとさらに狭くなって疲れます。クロークやロッカーがないところでも、大体劇団側が預かってくれますが、セキュリティ的にはどうしても甘かったりするので、最低限の貴重品を手元に残せる大きさで。
○帽子や髪型、服装に気をつける
お洒落しろという訳ではなく、帽子や結い上げる髪型は後ろの人の邪魔になるので脱ぎましょう&避けましょう。
あと結構隣と密着するので、今の季節は服装を工夫して、汗やにおいなどに気をつけた方がいいです。
冬の場合は、どうしても空気が澱むのでマスクなども。
○熱中症や冷えに用心
劇場によっては、クーラーがあまり効かなかったり、逆に効きすぎたりして、耐久レースみたいになることもあったり。映画と違って、ホール内では飲食は禁止ですが、倒れるよりはましなので、限界の時は水分とってください。さらにもっとやばいと感じたら、背に腹は替えられないので退出してスタッフへ申し出ること。
●では、開演
あとは思うままに楽しめばOKです。面白ければ笑い、つまらなければ静かに見守りましょう。
日本人は途中であまり拍手をしませんが、それでも気の利いた場面で自然に巻き起こることもあります。
貴方にとって素敵な芝居を見つけられれば幸いです。
では、楽しい演劇ライフを。
(※)人は寝てません。あとちゃんと座布団も敷いてあります。
二枚目で寝ている人が王者舘の代表です(別劇団で演出した時のブログ)。
2013年8月3日(土)
アドベンチャーの難易度
近頃プレジデンテ業に励んでいてすっかり久しぶりになってしまった。
トロピコシリーズはSteamで20日までセールやってるので、興味ある方は是非。独裁者面白いよ。
やってるのは4だけど、キャンペーンは3の方がいいって人も多いみたいだから、3も確保しておこうか……。
それは置いておいて、近頃思うところがあったので、アドベンチャーゲームの難易度というものについてちょっと書いてみる。
ゲームやる人は大体感じているかとは思うけど、難易度調整っていうのは本当に難しいもんです。ゲームの種類によっては定められた基準みたいなものがあるけど(一部のFPSとか多分)、アドベンチャーなんて基準なんてある訳もなく。簡単なコツはあるものの、概ね経験と勘がものを言うんだろうなと。
まず考えなくてはいけないことは、難易度を上げることでプレイヤーにどんな楽しさを提供できるかということ。アクションなら単純に「難しいことに対応できる」ということ自体が報酬になる訳ですが、アドベンチャーにおいて「難しい問題が解ける」というのはなかなか可視化されにくい。何が難しいか、ということ自体にも基準はないし。アクションの難しさはおおむね量(敵の数、耐久度、手数、速度など)で調整される訳で。速度というのが一番分かりやすい基準なんだけど、アドベンチャーはそこを捨てているジャンルだから。
じゃあ何で調整つけるかというと、「ヒントの量」が一つの答えかなと思う。最低限のヒントで作成されたものがハードで、ヒントの量を多くしてノーマル、そのものずばりの答え出してイージーぐらいかな。なので、製作者が「これで解けるだろう」と最初に作ったものはハードなのです。
さて、話戻って、それをぽんと公開する前に「アドベンチャーの難易度を上げることで何をプレイヤーに与えたいか」ということは念頭に置かなきゃいけない。もちろん「しっかり考えなければクリアできないようにしたい」ってのはありだけど、思考ゲームとコンピュータゲームって相性悪いんだよなー。答えが分かっていても手順が分からないケースに陥りがちで。
自分のゲームの話をすると「デンシャ」はかなり易しめで調整しました。「オシチヤ」がちょっと不親切すぎたなという反省もあったし、ゲームの内容もあった。
アイテムを選択制にしなかったのと、使える場面を絞ったのが大きいかな。ぶっちゃけアイテムの使用については、考える箇所ではないということ。思考してもらいたかったのは、ゲームの進行的にはプレートの使い方と合い言葉。そして真の目的は世界の意味な訳です。クリアとは関係のないところに目的がある。
そんな訳で、さくさく感、スピード感を重視しました。舞台が舞台だしね。流れていくように。
そんな感じです。
ちょっと「かもかて」についても、難易度調整しようかなと思っているところがあります。最初のとっかかりで世界の広さが伝え切れていないかなという感触があるので。実際、やるかどうかはまだ分からないけど。
2013年8月18日(日)
バージョンアップと難易度調整の話再びとか
そういえば特にお知らせしていなかったですが、「デンシャ」はこっそりバグ修正してバージョンが上がってます。
バグ報告していただいた方々、ありがとうございます。
本当に細かい修正だけで追加要素などはなく、改めてDLしてもらう必要はなかったので、告知はしませんでした。
バグは大体スイカわりです。あれはプレイする方もめんどくさいけど、作る方もイレギュラーでめんどくさい。じゃあ何故入れたという感じですが、思いつきです。
多分これでもう大丈夫……なはず。
前回にかもかて調整するかも話をしましたが、どうも考えていたものだとあまり影響なさそうなので、ちょっと考え直し中です。
他に手を入れるとなると、結構大規模な直しになっちゃうんだよな……。
検証します。
あと過去作だと、オシチヤをもうちょっと便利にしたバージョンは作ってみたいのですが、何しろ昔のものなので、ウディタでリメイクした場合にドット絵などの権利が大丈夫かどうか微妙。やらないかな……。
流れからしてマヨヒガからやるべきなのでしょうが、あれはツクールの装備の仕様から考えた仕掛けのところがあるので、それを再現する意味はあるのだろうかと考えたり。
2013年8月28日(水)